【医師が解説】くぼみ目治療は注入だけではない 原因別に選ぶ治療の優先順位

モティーフ銀座クリニックの外崎麻里です。
上まぶたがくぼんで見えると、疲れて見えたり、実年齢より上に見られたりして気になりますよね。 ただ、上まぶたのくぼみは、必ずしも中身のボリュームが減っただけで起きるわけではありません。見た目だけで注入治療を選ぶと、遠回りになることもあります。

この記事では、上まぶたにくぼみが起きる理由を整理し、原因に合わせて治療を選ぶ考え方をまとめます。自分がどんな窪み目のタイプなのか、どんな治療があっているのか実際に私が診察の際に行っているチェック方法も載せていきます。

ぜひ上まぶたの窪み目の治療を検討されている方はセルフチェックの参考にされてみて下さい。

上まぶたのくぼみは「見た目」だけの問題ではありません

上まぶたのくぼみというと、「老けて見える」「疲れて見える」といった見た目の問題を思い浮かべる方が多いと思います。

でも実はそれだけではなく、『目の動き(機能)』にも大きく関係しています。

① 見た目の問題

上まぶたにくぼみがあると、

  • 目がくぼんで見える
  • 元気がなさそうに見える
  • 疲れているように見える

といった印象になりやすくなります。

上まぶたのふっくら感は、 若々しさや健康的な印象の一部です。
それが失われると、目元が寂しく見えてしまうのです。

② 目の動き(機能)の問題

上まぶたがくぼんでくると、目を正しく、楽に開けにくくなり、「眠たそう」「疲れて見える」印象が強くなります。

これは、上まぶたの中にある脂肪が 減ったり、奥に引っ込んだりすることが関係しています。

この脂肪は、ただの「見た目のボリューム」ではありません。
目を開けるときにクッションのように働き、筋肉の動きをスムーズにする役割があります。

たとえるなら、ドアのヒンジにある潤滑油のような存在です。
この脂肪がしっかりあることで、まぶたを開ける筋肉はスムーズに動きます。

ところが、くぼみ目になると 脂肪が奥の方へ後退し、 目を開ける筋肉がうまく使えなくなってしまいます。
その結果、目がしっかり開かず、いわゆる「眼瞼下垂」と呼ばれる眠たそうな目の状態につながることがあります。

くぼみ目と眼瞼下垂の関係 〜鶏が先か、卵が先か?〜

ここでよくある疑問が、「くぼみ目が先なのか、眼瞼下垂が先なのか?」という点です。

実はこの2つは、原因と結果が入れ替わることがあります。

  • くぼみ目 → 目が開けにくくなる → 眼瞼下垂が目立つ
  • 眼瞼下垂 → 眉毛を使って開ける → 脂肪が引き込まれ、くぼみが強くなる

どちらが先、というよりも、 お互いに影響し合いながら悪循環を作る関係 と考えるとわかりやすいです。

③ くぼみが進むと何が起きる?

上まぶたの脂肪が減ったり、奥に引っ込んだりすると、

  • クッションがなくなる
  • すべりが悪くなる

という状態になります。

その結果、まぶたを開ける筋肉は重く、引っかかるように動くようになります。

すると、

  • まぶたが上がりにくくなる
  • 眉毛で無理に持ち上げようとする
  • さらにくぼみが強くなる

という悪循環が起きます。

たとえば、朝はむくみがあって目が開けやすいのに、夕方になると疲れて「目が開けづらい」「くぼみが目立つ」 と感じる方は、まさにこの状態が起きています。

④ だから「くぼみを整える」ことが大切

上まぶたのくぼみを整えるというのは、ただ見た目をふっくらさせることだけではありません。
目が楽に開く状態を取り戻すことでもあります。
見た目と機能、その両方にとって大切なポイントなのです。

くぼみ目の主な原因は4つ

1 脂肪が少ない

加齢や体重減少、もともとの体質で、上まぶたのふくらみを作る脂肪が少ないタイプです。
この場合は、シンプルに中身のボリューム不足がベースにあります。

2 皮膚の配置のアンバランス

まぶたの皮膚が伸びたり、ハリが落ちると、二重の折り込みが弱くなりやすいです。

こういう場合くぼみ目の部分はとても凹んでいて、まつ毛の近くには皮膚がたっぷりのっかっており、まぶたの皮膚の配置がアンバランスになります。
このようなタイプは たるみがあるから皮膚を切れば解決、とは限らないのがポイントです。不用意にたるみを切れば、実はくぼみ目が悪化する可能性も含んでいます。

3 目の動きによる引き込み

軽度の眼瞼下垂を含め、目を開ける力が弱い場合、無意識に眉を上げて開こうとする癖が出やすくなります。
その結果、上まぶたの組織が引っ張られて、くぼみが強く見えることがあります。
ボリュームの問題というより、使い方や動きの問題が関係しているパターンです。

4 骨格

額や眉まわりの骨格がしっかりしている方、いわゆる彫りが深いタイプは、影が出やすく、くぼみが目立ちやすいことがあります。
この場合も、単純な脂肪不足だけでは説明できないことがあります。

くぼみ目を理解するための基礎 眼窩脂肪の役割

上まぶたの若々しいふくらみは、眼球のまわりにある眼窩脂肪がクッションのように働くことで保たれています。
加齢などでこの脂肪が減ったり、位置が変わったりすると、上まぶたのふくらみが落ち着かず、くぼみとして見えやすくなります。

ただし、ここが重要です。
くぼみが見える=脂肪が減った、と決めつけないことです。脂肪が十分でも、皮膚の折り込みが弱い、目の開き方の影響で引っ張られているなど、別の理由で影が深く見えることがあります。

正しいくぼみ目治療のために ― 原因を見極めることが大切です

くぼみ目の治療で大切なのは、「なぜくぼんで見えているのか」その原因を見極めることです。

原因を間違えると、本来必要のない治療を選んでしまったり、十分な効果が得られなかったりすることがあります。

当院では診察の際、次の3つの評価テストを必ず行い、くぼみの主な原因を確認しています。

どれも鏡を見ながらご自身でも確認できる内容ですので、よろしければ参考として試してみてください。

テスト1 下まぶたを軽く押さえる

まぶたを軽く圧迫し、上まぶたの脂肪が前に出た状態を作ります。

このとき、くぼみがはっきり改善する場合は、脂肪のボリューム不足が主な原因である可能性が高くなります。

このタイプでは、ヒアルロン酸注入や脂肪注入など、ボリュームを補う治療が向いていることが多いです。

テスト2 眉の動きを止める

眉毛を手で軽く押さえ、眉を上げる動きを止めた状態で、くぼみがどう変化するかを確認します。

眉が下がることで、おでこの皮膚や組織が目元側に移動し、くぼみが改善する場合は、眉毛の使い方が原因となっている可能性があり、額ボトックスで改善が期待できます。

一方で、眉を押さえるとくぼみは変わらない、もしくは目の開きが悪くなる場合は、眼瞼下垂が関与している可能性があり、眼瞼下垂の治療が候補になります。

テスト3 二重の折り込みをシミュレーションする

細い棒(綿棒など)を使い、二重のラインを作るように皮膚を軽く折り込みます。

  • 軽く折り込むだけで改善する場合
    → 二重の構造や皮膚の配置が主な原因
    → 二重埋没法が適応になることが多い
  • しっかり折り込むと改善する場合
    → 目を開ける力が弱いことが関与している可能性
    → 眼瞼下垂の手術(切開または非切開)が検討されます

セルフチェックについての注意点

※これらのセルフチェックは、あくまで目安として行うものです。

目元はとても繊細な部位ですので、強く押したり、擦ったりしないように注意してください。
正確な診断や治療方針の決定は、 必ず専門医による診察が必要です。

治療法の選び方

くぼみ目治療の最終目的は、単に凹みを埋めることではなく、目元の印象を自然に整えることです。
そのために、次の3つのうちどれが主因かを診察で見極めます。

  • ボリュームが足りないタイプ
  • 目の開きや二重の構造が関係していて使えていないタイプ
  • 眉の上げ癖などで引っ張られているタイプ

当院では、まぶたの動きや眉の使い方、皮膚の状態を確認しながら、原因に合う治療を組み立てます。結果として、注入が第一選択になる方もいれば、注入より先に別の治療を行ったほうが改善が大きい方もいらっしゃいます。

額ボトックスで改善が期待できるケース

引っ張りをゆるめて、くぼみを目立ちにくくする

額のボトックスは、一般的には目が重く感じやすくなることがあるため、慎重に適応を判断します。
ただし、くぼみ目の一部では、この作用を逆に活用できることがあります。

眉を上げる癖が強い方は、上まぶたの組織が上方向へ引っ張られ、影が深く見えやすくなります。
そこで額の筋肉をゆるめて眉の位置を下げると、引っ張られていた組織が戻り、結果としてくぼみが目立ちにくくなることがあります。

目の開きが悪く、代償的に眉毛を上げる癖が強くなっている場合は目の開きの治療を根本的に治す必要があります

メリット

  • ダウンタイムが少なく、比較的手軽に印象を整えやすいです。
  • 額のしわの改善も同時に期待できます。

注意点

  • 目が重く感じる可能性があります。
  • 目の開きが悪く、代償的に眉毛を上げる癖が強くなっている場合は目の開きの治療を根本的に治す必要があります
  • 効果は数か月単位で変化します。
  • 効かせ方が弱すぎると、くぼみの改善につながりにくい場合があります。

ヒアルロン酸注入で改善が期待できるケース

物理的にボリュームを補って、影をやわらげる

ボリューム不足が主な原因の方には、ヒアルロン酸注入が有力な選択肢になります。
ただし、目元は非常に繊細な部位のため、自然さと安全性の両立を意識した設計が大切です。

メリット

  • ヒアルロン酸は入れる量を細かく調整できるため、やりすぎを避けながら自然なバランスを目指しやすい治療です。
  • 注入後、早い段階で影の強さがやわらぎ、目元の疲れた印象が改善しやすいのが特徴です。大きく形を変えるというより、くぼみをなだらかにして印象を整える方向の変化が得られます。

代表的なリスクと対策

  • 血管塞栓
    重い合併症につながる可能性があるため、カニューレの使用や低圧での注入など、基本の安全手順を徹底します。
  • チンダル現象
    浅い層に入ると青っぽく透けて見えることがあるため、適切な深さを選びます。
  • しこりや凹凸
    注入後の強いマッサージは避け、状態に合わせた製剤選択と注入量の調整を行います。
  • くぼみが改善すると、二重幅が狭く見える方向に変化することがあります。

二重埋没や眼瞼下垂の治療で改善が期待できるケース

まぶたの使い方と構造を整えて、くぼみの見え方を改善する

目の開きの弱さや、二重の折り込みが弱いことが関与している場合は、注入よりも先に、まぶたの機能や皮膚の配置を整える治療が改善につながることがあります。
このタイプは、くぼみだけでなく、目の開きにくさ、二重の不安定さ、まぶたの重さが同時に気になっていることも少なくありません。

メリット

  • まぶたの機能や二重、たるみの改善につながる可能性があります。

注意点

  • ダウンタイムが必要になります。
  • くぼみが残る場合があり、必要に応じて追加の調整を検討することがあります。

治療選びは、見た目ではなく理由から

くぼみ目の治療は、必ずしもボリュームを足すことが正解ではありません。
足りないのか、使えていないのか、引っ張られているのかを整理し、原因に合った方法を選ぶことで、無理のない自然な改善につながります。

まとめ

上瞼くぼみ目はご自身で判断しにくいお悩みのひとつです。
当院では、まぶたの動きや皮膚の状態を丁寧に確認しながら、どの要素が主因かを一緒に整理し、必要な治療だけをご提案しています。

上まぶたのくぼみが気になる方は、まずはカウンセリングで現在の状態を確認してみませんか。
注入が良いのか、ボトックスが合うのか、二重や眼瞼下垂の治療を優先すべきかを、分かりやすくご説明いたします。

無理に治療をおすすめすることはありません。

あなたに合った自然な選択肢を、一緒に見つけましょう。

この記事を書いた人

外崎 麻里 医師

統括医師 外崎 麻里

日本美容外科学会(JSAPS)認定の美容外科専門医。形成外科専門医を併せ持つ、日本で19名の女性医師の一人。大学病院で形成外科を研鑽した後、大手美容外科の院長を務めた後モティーフ銀座クリニックを開院。豊富な臨床経験に基づいた、丁寧で繊細な施術が信条。特に二重整形やクマ取りなどの目周りの施術、エイジングケア治療を得意とする。医学的根拠に基づいた的確な診断と、女性ならではの視点で患者様の悩みに寄り添う。

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