表ハムラ法・裏ハムラ法の長期経過|“再発しづらい”根本治療の真価とは

2025.07.27 美容医療

「手術しても、またクマが戻るのでは?」そんな不安はありませんか?

目の下のクマ治療のカウンセリングにおいて、最もよく患者さんに聞かれるのが「数年後にはクマはまた戻るのでは?」という質問です。確かにお金をかけて手術を受けたのに、数年たたずに元に戻ってしまうのではないかと不安になってしまいますよね。 実際、ヒアルロン酸注入や経結膜的脱脂手術などの一部の治療では、時間が経つと再発したり、逆に凹みが目立ってしまうケースも少なくありません。その点で、表ハムラ法・裏ハムラ法は“クマの原因の構造に直接アプローチする”ため、再発しづらく、長期経過でも安定しやすい手術法として知られています。

なぜハムラ法は“長期的にクマが戻りにくい”のか?

表・裏ハムラ法が長期的に再発しづらい方法といえる理由は「クマの構造を根本的に変えていく」この一言に尽きると思います。
ハムラは脂肪再配置手術の名の通り、脂肪を単に「取る」のではなく、突出している脂肪をくぼみに移動させて配置するという手技を行います。
この「再配置」には、ある重要な工程が2つ含まれています。

重要工程①:目の下の凹みの原因である“靭帯による癒着”を剥がすこと

1つ目の工程で重要なのは目の下の凹みの原因である“靭帯による癒着”を剥がすことです。
ですが剥がすだけではダメなので、もっと大事なのは、再癒着を予防するために、「靭帯部分の構造自体を変えること」です。
少しわかりづらいと思うので説明していきますね。

目の下の凹みの正体は「靭帯による癒着」である

目の下のクマや影を作る原因には、

  • 眼窩脂肪の突出(ふくらみ)
  • その下にできる凹み(Tear troughやOrbitomalar sulcus)

の2つがあります。

私たちの顔の部分の凹みがない部分と皮膚、筋肉、脂肪、骨のレイヤーに分かれていますが、目の下の凹みの部分は皮膚と骨の間に脂肪が少なく皮膚と骨が靭帯という形で直接的に強固に癒着しています。
そしてこれらの靭帯の癒着は強固なため、目の下のヒアルロン酸注入や脂肪注入では注入したものが定着しづらい構造になっています。

目の下の靭帯の代表的な名称は以下の通りです

凹みの名称 主な位置・特徴
Tear trough(ティアトラフ) 目頭寄りのくぼみ。涙袋の下から斜めに入る線状の影。
Orbitomalar sulcus(眼窩頬溝) 目尻〜頬にかけてのやや深めの溝。年齢とともに目立ちやすい。

なぜ凹み(癒着)は年齢とともに深くなる?

加齢により、

  • 骨が痩せる
  • 靭帯の引きつれが強くなる
  • 脂肪の下垂・皮膚のたるみが進む

こうした変化によって、もともと軽度だった癒着が強調され、影が深くなってくるのです。

つまり、「何もしなければ年齢とともに深くなる」性質があります。
表ハムラ・裏ハムラ法では、皮膚と骨が深部で癒着している部分を外科的に剥離します。
ですが、靭帯の剥離のみで終わってしまうと、再癒着をしてしまうので意味がありません。
再癒着を防ぐために、剥がした靭帯と骨の間に何かしらの組織を挟んであげる必要があります。

この時、何の組織を使うでしょうか?

そう、ここで使うのが眼窩脂肪です。ここで脂肪の再配置を行います。
靭帯の癒着した部分のすぐ上にある余分な脂肪を血管の栄養を保ったまま移動させます。
そうすることで皮膚と骨の強い引きつれが緩和され、再配置した目の下の脂肪がなだらかに広がり靭帯が癒着していた構造を、再癒着を防ぐクッション構造に“作り変える”ことが可能になります。

重要工程②:Orbital Septal Reset(眼窩隔膜の再固定)

また、脂肪を再配置する際にもう一つ大切なのが、眼窩隔膜(orbital septum)を適切な位置に再固定することです。眼窩隔膜とは、眼窩脂肪を包んでいる風船のような膜のことです。

加齢とともに眼窩隔膜が薄く、強度が弱くなり、支えが無くなった眼窩脂肪は前にでてきます。
ハムラの際に眼窩隔膜を再固定することによって、手術後は眼窩隔膜が厚く、強度が高まります。
加齢で緩んで前方に押し出されやすくなった脂肪を、再び奥に支え直す“壁の張り直し”のような操作です。

この操作は、「脂肪の突出を根本的に防ぐことができる=再発しにくい」構造を変えるために非常に重要な工程なのです。

この工程のことを「CPFの再固定」と称しているクリニックもありますが、再発をしづらいハムラ法
の手術を行っている医師であれば、当然含まれる工程となります。

上記の2つの工程によって、「目の下の構造自体を根本的に変えることで長期的にクマを改善する
ことができます。

裏ハムラ法、表ハムラ法の症例提示

では実際の症例を見てみましょう。

40代後半女性/裏ハムラ法(手術後2年経過)

若い時から強い目の下の膨らみが気になっていたそうです。長期的に安定した手術を希望とのことでした。
眼窩脂肪の突出と若干の凹みがあり、裏ハムラ法を行いました。

手術後2年近く立ちますが膨らみの再発はなく、目の下の靭帯の凹みも薄くなっています。
小じわの悪化もなく大きな左右差もありません。涙袋がはっきりし目が大きく見えるようになりました。

30代後半女性/裏ハムラ法(手術後2年経過)(M)

「目の下のふくらみと、夕方になると濃く見えるクマがお悩みでご来院されました。
診察の結果、眼窩脂肪の突出と軽度の凹みが原因の“影グマ(黒クマ)”と判断し、裏ハムラ法をご提案しました。

手術に抵抗があり、当院で最初は肌育注射やヒアルロン酸で目の下クマ治療をされていましたが、改善が今一つであり、根本的に治療をするため裏ハムラ法の手術を行いました。

手術後2年の写真では、脂肪の再配置により目の下がなだらかになり、影が改善しているのが分かります。
眼窩脂肪の再発はなく、目の下の凹みも薄くなっており、小じわなどはありません。三白眼もありません。長期的にも安定した状態が維持できています。

50代前半女性表ハムラ法(手術後1年経過)

2、3年前から目の下のクマが気になっていたそうです。診察すると膨らみと凹み、皮膚のたるみも強かったため表ハムラ法をご提案しました。

手術後1年で膨らみや凹みの再発はありません。傷跡は目立ちませんし、三白眼などもありません。
目の下から頬にかけての輪郭が若々しくなりました。

50代後半女性/表ハムラ法(手術後1年経過)

昔から、疲れているように見られやすく、クマが気になっていたそうです。
診察すると膨らみと凹み、皮膚と筋肉のたるみもありましたので、表ハムラ法をご提案しました。

右のほうがクマの症状が強いと考えましたので、左右差を整えるように手術を行いました。
手術後1年経ち、傷跡は全くわかりません。若返りの変化がしっかりありますね。

よくある質問:「靭帯を剥がすと、逆にたるんだりしませんか?」

カウンセリングではよく、

「癒着を剥がすってことは、皮膚を支えてるものを取ることになるんじゃないですか?」
「将来的にたるんでしまう心配はありませんか?」

というご質問をいただきます。このご心配はもっともですが、実際には ほとんどその心配はありません。

なぜなら、

  • 剥がす靭帯は、“過剰に引き込まれている一部の浅層靭帯”であり、顔全体の支持構造ではない
  • そもそもその癒着が、凹みや影の原因になっているため“リリースする方が自然な仕上がりになる”
  • 剥がした後は、下から脂肪で埋めて支えを再構築しているため、不安定にはならない

からです。

また、表ハムラ法では必要に応じて皮膚のたるみも調整するため、皮膚と骨・脂肪のバランスがより整い、将来的にも安定しやすい設計になります。
適切な剥離と再配置によって「たるみにくく、自然なラインが保たれやすい目元」になるというのが実際の長期経過です。

まとめ

今回は、表ハムラ法・裏ハムラ法の長期経過について解説しました。
まとめると、“再発しづらい”根本治療の真価とは「目の下の構造自体を根本的に変えること」なのです。

  • 目の下の凹みの靭帯の癒着を剥がす
  • 再癒着を防ぐために、脂肪を再配置して「癒着構造→脂肪のクッション構造」に変える
  • 同時に、眼窩隔膜を再固定(Orbital Septal Reset)して、脂肪が再度前に出ないよう支えを整える

上記の3点が表ハムラ法・裏ハムラ法の手術においての「再発しづらい根拠」なのです。

信頼できる医師・クリニック選びの視点として

この記事でご紹介したように、表ハムラ法・裏ハムラ法は根本的で再発しづらい治療ですが、その完成度や持続性は、術式だけでなく「術者の技術・診断力・術後フォロー体制」に大きく左右されます。

また、私たちが術後1年・2年といった長期経過の症例を掲載できているのは、患者様との信頼関係があってこそです。
手術後の経過を大切に見守り、定期的に診察し、モニターや写真提供にご協力いただける関係性を築けていること。

これは、医師としても誠実な診療を行っている証拠だと私たちは考えています。

しっかりとした医師選びを

クマ治療を成功させるためには、「何を受けるか」だけでなく「誰から受けるか」がとても重要です。

  • 長期経過を公開しているか?
  • 自分に合った治療を見極めてくれるか?
  • 術後も安心して相談できる体制があるか?

これらをしっかり確認して、あなたにとって本当に信頼できる医師・クリニックを選んでください。

最後に

自分にはどんなクマ治療が良いのだろう?とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
カウンセリングでは無理に手術を勧めることはありません。
医学的な最適解をお伝えはしつつも、患者様のゴール設定は様々なのです。
あなたにとっての最適な治療を一緒に考えて行けたらいいです。
モニターご希望の方もお気軽にお声がけくださいね。
長くに渡りお読みいただきありがとうございました。

この記事を書いた人

外崎 麻里 医師

統括医師 外崎 麻里

日本美容外科学会(JSAPS)認定の美容外科専門医。形成外科専門医を併せ持つ、日本で19名の女性医師の一人。大学病院で形成外科を研鑽した後、大手美容外科の院長を務めた後モティーフ銀座クリニックを開院。豊富な臨床経験に基づいた、丁寧で繊細な施術が信条。特に二重整形やクマ取りなどの目周りの施術、エイジングケア治療を得意とする。医学的根拠に基づいた的確な診断と、女性ならではの視点で患者様の悩みに寄り添う。

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